ウルフウォーカー
始まって早々、イングランドのアクセントを持つロビンが、アイルランドの子供たちに、お高くとまっていると馬鹿にされる場面があって、これ中の人が思ってることだろうなといらん邪推をした。
曲線が多用された美しい森の描写と、楽しいケルト音楽、透明感のあるAuroraの歌が相まって、幻想的な世界に魅了された。対して、ロビンが仕事をさせられる場面は直線で囲まれていて、暗くて冷たい。視覚的にはっきり分けられていた。
子供が搾取されている場面や、お父さんが職務と自分の志と娘の間で葛藤する場面や、メーヴがお母さんを救おうと必死になる場面は、観ていて胸が締め付けられる思いがした。
二作目の『ソング・オブ・ザ・シー』でもそうだったように、お父さんが望まないジェンダー・ロールから解放される過程を、丁寧に描いていて良かった。お父さんに感情移入して泣いた。
私は専攻がイギリス文学なので、どうしてもイギリス、イングランド視点が強くなる。なので、抑圧された側の視点も同時に学ぶことが必要だと実感した。
キャスト・作品情報
監督:トム・ムーア、ロス・スチュワート
出演:オナー・ニーフシー、エヴァ・ウィテカー、ショーン・ビーン、マリア・ドイル・ケネディ、サイモン・マクバーニー
脚本:ウィリアム・コリンズ
原題:Wolfwalkers
上映日:2020年10月30日
製作年:2020年
製作国:ルクセンブルク、アイルランド、アメリカ
時間:103分
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